信念を維持するために一時的な失敗や敗北、逆境について学ぶ｜ナポレオン・ヒルの成功哲学

ナポレオン・ヒルの成功哲学では、成功を志すのであれば、これまでの失敗や逆境ともきちんと向き合い、自分の内側とも向き合うことが必要であるとしています。

なぜなら、失敗や逆境はそれと同等か、それ以上の利益を含んでいるものであり、自分の内面が在り方を形成するもので、これが成果に直結するものだからです。

信念も、潜在意識も、心構えも、どれも目には見えないものですが、これらは確実に人間の内側に存在しており、そして行動指針や考え方に大きな影響を与えています。

・なぜ、自分の場合はうまくいかないのか？
・うまくいく人と自分の差は一体どこにあるのか？

こうした疑問を抱えている人にとっては、これから解説していく内容は、成功のための本質を理解するための、第一歩となることでしょう。

そこでこの記事では

・上手くいかない人がやっていないこと
・多くの人が勘違いしている部分
・どのような種子を選び、蒔いているのか

これらについて、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。

こちらの内容に関しては、私達リアライズのYouTubeチャンネルでも聴く動画として上げています。

記事を読むよりも動画で聴いて学びたい方は、下部のリンクから動画を活用してみて下さい。

一時的な敗北

ここで少し、失敗や敗北について考えてみましょう。

まず、基本的な考え方として、失敗や敗北は、それを失敗や敗北として認めたとき、初めて存在するものだ、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。

実際、こうした観点に立てば、失敗や敗北は、実質的に否定されてしまいます。

つまり、自分の心や精神を、肯定的なものを生み出すように調整する、ということです。

もし、あなたが貧困、病気、不和を招いているとすれば、それはあなたが潜在意識という畑の中に、不幸の種子を蒔いたからです。

不幸の種子も、内包する法則とメカニズムに従い、やがて大きく成長して、破局をもたらすのです。

あなたは心の畑に、雑草の種子を蒔いてしまってはいないでしょうか？

近所の空き地や、休耕地を見てごらんなさい。

そこは、雑草の天下です。

雑草の種子は、そこへ飛んできて、光と水を得て、芽を吹き、成長します。

そして、誰もその土地を耕し、除草して、美しい花や、実のなる木々を植えようとはしません。

自分は何を求めているのか。

それが分からないから、畑を耕して、花や野菜の種子を撒くことができないのです。

目標も無しに、人生を漂う。

多くの人々の生活は、そのようなものなのです。

そういう人々は、思考の種子が潜在意識の土壌の上に落ちたとき、その中から良いものと悪いものを選り分け、明確な目標として、定着させようとはしないのです。

かくして、雑草のはびこる空き地では、美しい花を見ることは決してありません。

人間の心は、常に動いており、決して留まってはいません。

問題は、その心を勝手気ままな状態にしておくのではなく、あなたの目標に向かって動かすことです。

つまり、人間の精神は馬のようなものだ、ということができます。

きちんと調教すれば、必ず主人を目的地まで運んでくれます。

ここまでで学ぶこと

物事には、必ず原因と結果が紐づいて存在するというのは、ジェームズ・アレンが古くから説いているものです。

実際に成功を志し、それに向かって進んでいく途中で、挫折してしまう人たちも、失敗や敗北を、それと認識した瞬間から、歩みが止まるようになります。

なぜなら、これは本人が潜在意識をどのように扱っているのかで、その後が大きく変わるからです。

どういうことかと言うと、人を突き動かす信念というものは、その人の潜在意識によって保護されているものであり、お互いがお互いを支え合っている関係なのです。

分かりやすく例えるなら、大黒柱というものは、家のバランスを取る重要な柱のことを指しますが、その目的は、屋根を支えることにあります。

しかし、大黒柱自体も、屋根の重みがあることによって、土台としっかり固定されることで、その役割を果たしているのです。

つまり、大黒柱と屋根は、持ちつ持たれつの関係であり、どちらか一方だけでは、その役割を果たすことができない関係なのです。

そして、この二つをしっかりと機能させるためには、土台もしっかりとしていないといけません。

信念と潜在意識、そして心構えのこれらの関係も、大黒柱と屋根と土台の関係と等しいのです。

信念が揺らぐ、折れるというのも、その原因は潜在意識や心構えといったものが、信念を支えることができていないことが起因しています。

または、土台が大黒柱を支えられるような設計になっていないか、そもそも固定できるように、耐えられる作りではないことが挙げられます。

こうした状況を変えたいのであれば、まずは自分の潜在意識の部分を耕し、雑草を取り除き、土台となる心構えを形成するように取り組みましょう。

それでは続いて、逆境について見ていきましょう。

逆境は幸福の種を運んでくる試練

何かをやろうと決心したとき、必ずやってくるのが逆境ですが、あなたの信念を試すには絶好のチャンスである、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。

そして、この試練に耐えてこそ、信念はますます強固なものとなり、それがさらに、大きな逆境を跳ね返す力になります。

大切なことは「絶対に成功する」「必ず成功する」という意志と確信です。

価値ある人物との間に、マスターマインドによる提携を打ち立て、宇宙や大自然の摂理に従って行動すれば、成功は必ずあなたのものになるでしょう。

信念を、この現実の中で貫くことです。

逆境は試練と共に、幸福の種を運んでくる。

信念は、敗北や挫折を、成功と勝利に転化する力をあなたに与えます。

これまでの人生を振り返り、敗北と思われるもの全てを、分析してみましょう。

ここまでで学ぶこと

この内容は、多くの人が勘違いを起こしやすい部分です。

なぜなら「意志と確信」を「気合と根性」と安易に捉えがちだからです。

ナポレオン・ヒルの成功哲学では、確信を得るためには根拠が必要である、と語られています。

その証拠に、目標を立てれば後はなんとかなる、といった形ではなく、その達成計画こそが重要であり、これなしに信念が芽生えることはない、とされています。

達成計画が、緻密に練られていればいるほど、信念は通常、強固なものとなります。

なぜなら、計画に確信が持てることで、簡単には諦めきれなくなるからです。

この部分について、論より証拠を求めるのであれば、これまでの人生における敗北を、実際に分析してみるのが良いでしょう。

そうすれば、無計画であったり、不十分であったり、無謀であることが、失敗や敗北を招いたり、それを認める原因であることに気付くことができます。

それでは続いて、潜在意識をきちんと整地したことで、人生でさまざまなことを成し遂げた人たちについて、見ていきましょう。

潜在意識にどのような種を蒔くか

心に植えられた様々な種子は、それぞれの持つ使命に従い、素晴らしい実りをもたらす、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。

それゆえ、潜在意識の庭に撒く種子は、慎重に選ばなければなりません。

そして、失敗や敗北の原因を学び取ると共に、その時、あなたが活かすことのできなかった成功や、利益の可能性について分析して、考える必要があります。

つまり、蒔かれていたのはどんな種だったのか、そのことを十分に考えてみる必要があるのです。

なぜならそれこそが、あなたを前に向かって駆り立て、成功へと導くものだからです。

エイブラハム・リンカーンは、たくさんの屈辱的な敗北を経験しましたが、それゆえ、彼の心はヒューマニズムに目覚め、またその心はアメリカ中に広がりました。

リンカーンは、合衆国の歴史上、最も偉大な大統領、つまり大解放者となったのです。

チャールズ・ディケンズは、愛に絶望し、その激しく鬱積した感情を小説にぶつけ、それを文学の傑作へと転化しました。

リー・アイアコッカは、イタリアからの移民というハンディがあり、またフォード社では会長から嫌われ、辛酸を嘗めました。

しかし、それによってライバル会社のクライスラー社に移ってからは、倒産に瀕した会社を、見事に再建させました。

トーマス・エジソンは若い頃、些細なことから耳が不自由になってしまいましたが、そのハンディキャップを逆に利用しました。

つまりエジソンは、外からの音が聞こえない代わりに、自分の心からの声を、健常者の何倍もよく聞くことができました。

その心の声こそが、トーマス・エジソンを発明の王に変えたのです。

根気強い行動、目標に向かう行動、その行動を支える信念、私達が学ぶべき点はたくさんあります。

エジソンは、人間の生活や生産活動に革命をもたらす、白熱灯を発明したことで有名です。

彼は、それを発明することは、絶対に可能だと信じていました。

実用に耐えるようなフィラメントを作り出すまでに、一万回以上も失敗したにも関わらずです。

フランクリン・ルーズベルトは、苦しみと欠点を乗り越え、大統領にふさわしい名演説や、豊かな人間関係を築き上げました。

ここまでで学ぶこと

これまでの人類史で、偉業を成し遂げた人たちはみな、逆境を抱えており、そして自分の潜在意識を整地して、良い種を植えたことで、成果へと繋げています。

これから人生で成功を志すのであれば、自分の潜在意識に、現在どのような種を撒いているのかを、きちんと分析することが重要です。

もちろん、種を蒔く前に、その土壌がしっかりと整地されており、種子が芽を出すのに必要な要素が揃っていることを確認することが前提条件です。

これらがきちんと行われていれば、失敗や逆境を活かし、自分の力へと転換して、目標や願望へと突き進んでいくことができます。

目標達成や願望実現のため、自分の内側に着目することを心がけ、必要なものを取り入れ、不要なものを取り除き、潜在意識と心構えの整地に取り組みましょう。