【思考は現実化する】解説｜ビジョンの力と、窮を転じることで本気になる｜ナポレオン・ヒルの成功哲学

今回の「思考は現実化する」の解説内容は、ナポレオン・ヒルが成功哲学を体系化させる中で、様々な人にインタビューを行った相手から学んだ内容です。

成功者は必ずと言って良いほど、全員が強力で、かつ明確な願望を持っていました。

また、成功者の多くが、最初は惨めな状況からスタートしていたことにも気付きました。

今回の内容では「人が持つビジョンと願望と信念の力」について、学ぶことができます。

・私の考えていることは、夢物語なのだろうか
・私の現状は酷く、成功なんて程遠い

このように考えている人にとっては、自分を後押して、力を与えてもらえるきっかけになるかもしれません。

今回の「思考は現実化する」の解説内容では

・人が持つビジョンの力
・現状と願望が持っているエネルギー

これらについて学ぶことができます。

それでは早速、名著「思考は現実化する」の内容について、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。

こちらの内容に関しては、私達リアライズのYouTubeチャンネルでも聴く動画として上げています。

記事を読むよりも動画で聴いて学びたい方は、下部のリンクから動画を活用してみて下さい。

ビジョンの力

富を手にしたいと願う人は、私たちの生きているこの世界が、絶えず進み続けているということを念頭に置く必要がある、と「思考は現実化する」では語られています。

次から次へと新しい指導者、新しい発明、新しい教育法、新しい市場、また新しい書物や文学、新しいテレビ番組や、新しい映画といったものが生まれています。

これら新しいものが、次々と生まれていき、増えていくその背後に、それらの誕生の源となっているものが「強力かつ明確な願望」であることを見逃してはなりません。

なぜなら、明確な願望や目標、欲するものに関する知識、そして、それを絶対に手に入れるのだという強い願望こそ、新しい何かを生むためのエネルギーだからです。

世界を代表する指導者として、尊敬されてきた人々は、常に、まだ見ることも触ることも不可能な未来を、断固として信じ続ける力を持っていました。

その力で、高層ビルを建て、都市を築き、工場を造り、人間の生活を便利で楽しくする、飛行機や自動車などのありとあらゆるものを、創造してきたのです。

この変化に富んだ、多様な世界で成功したいならば、あなたのことを「空想家だ」と軽蔑する人々の言葉を、気にしてはいけません。

なぜなら、先駆者たちの夢こそが、この貴重な現代の文明を作ったからです。

文明の活力の源となっているのが、その開拓精神だということを、決して忘れてはなりません。

そしてこの開拓精神は、明確な願望と確固たる行動によって、相互にその力を高め合っているのです。

私たちは、自分の才能を市場に送り出す、素晴らしい機会を持っているのです。

それであるならば、思い切ってあなたの夢に挑戦することです。

もし失敗したらどうしようか？といった考えは、無視することです。

どんな失敗にも、必ず成功へのきっかけが潜んでいるものだからです。

エジソンは、電気を使った明かりを夢見ました。

一万回以上に渡る失敗にもめげず、実現するまで、その夢は捨てませんでした。

ウエーランは、タバコのチェーンストアを設立することを夢見て、アメリカ最大のユナイテッド・シガー・ストアーズを遂に作り上げました。

ライト兄弟は、空飛ぶ機械を作りたいと夢見ました。

そして、その夢が単なる空想ではなかったことは、今日の空を見上げれば明らかです。

マルコーニは、目に見えない電波の力の利用に、自分の夢を賭けました。

そして今日の、ラジオやテレビが生まれたのです。

しかし、電線を使うことなく、空中に電波を飛ばし、通信することをマルコーニが発表したとき、友人たちが彼を精神病院に連れていった、という笑い話もあります。

このように、注意深く観察すれば、私たちの周りには発明のチャンスが、昔以上に至る所にあることがご理解頂けるはずです。

ここまでで学ぶこと

人間が持っているビジョンの力には、歴史と生活を一変させるほどの、大きなエネルギーがあります。

なぜなら、これまでの社会の変化は、全て人間の想像によって、生まれたものだからです。

この想像力の源となるものは、他でもない「明確な願望」となります。

現代でも、日用品で便利なものが生まれたり、インターネットの中で便利なツールがどんどん開発されています。

これらも、全て人間の想像力によって、生み出されたものです。

この全員に共通している点と言えば、考えることを諦めずに続けたことです。

なぜ、諦めずに続けることができたのかと言えば、やはりそれを支え続けたものは「明確な目標や願望」があったからに他なりません。

これは、発明以外のことでも同じです。

例えば、プロになることを夢見た人たちが、諦めることなく努力を続けることで、実際にプロとして活躍している原因も、明確な願望や目標が支えていたからです。

そのためには、周囲がどう思うか？ではなく、自分がどうなりたいのか？を常に意識して、願望一点に注力している状態が絶対条件となります。

続いて「思考は現実化する」を通じて、成功を志す人の当時の現状について、詳しく見ていきましょう。

窮を転じる

何かになりたい、何かをしたいという燃え上がる願望が、すべての出発点となる、と「思考は現実化する」では語られています。

なぜなら、無関心、怠惰、あるいは野望が欠如するところには、決してビジョンは生まれないからです。

成功している人々の多くが、最初は惨めな状況から出発していることを、忘れてはなりません。

彼らは多くの、中にはほとんど絶望的な困難を克服して、願望の実現に到達したのです。

成功した人は大抵、 このような最悪の状態が、そのまま人生の転機に直結しているものです。

そういう時にこそ、もう一人の自分との出会いがあるのです。

名著『天路歴程』の作者、ジョン・バンヤンがこの作品を完成させたのは、宗教裁判に敗れて、彼が投獄された後のことです。

O・ヘンリーが、初めて自分の中に潜んでいる、天才的な才能に目覚めたのは、オハイオ州の州都コロンバスの独房の中でした。

彼は銀行員だった時に、公金横領の嫌疑で告発され、逃亡しましたが、妻の危篤を知って戻ったところを逮捕されたのです。

ヘンリーは不運に遭遇しましたが、この三年間の刑務所生活の中で、もう一人の自分に出会うことができたのです。

独房では、半ば強制的に想像力を使うことを余儀なくされるものですが、この想像力を、彼は積極的に用いる術を発見したのです。

その結果、自分が偉大な作家であることに気付いたのです。

チャールズ・ディケンズは、ラベル貼りの職人など、さまざまな職業を転々とする生活を送っていましたが、 失恋の痛手が、世界的な作家への道を開いたのです。

ヘレン・ケラーは、三歳の時の病が元で、視覚、聴覚、そして言葉を失うという三重苦に襲われましたが、痛ましい不幸にも関わらず、歴史上にその名を残しています。

彼女はその生涯を通して、敗北を認めさえしなければ、誰にも敗北などあり得ないのだ、ということを立証したのです。

ロバート・バーンズは、スコットランドの無教育な田舎者であると同時に、アルコール依存症でした。

しかし、彼はその美しい心を詩にすることによって、世に貢献しました。

彼の詩は、人々の心から棘を抜き、綺麗なバラの花を咲かせたのです。

ベートーヴェンは、耳が不自由で、ミルトン（『失楽園」を書いたイギリスの詩人）は目が見えませんでした。

しかし、この二人の夢は、見事な芸術として実を結び、その名は一躍有名になったことは、周知の通りです。

単なる望みを持つことと、願望を現実のものとして受け入れようと、心の準備をすることは、元々全く違うことです。

「必ず実現する」と心から信じない限り、願望を受け入れようとする心の準備はできていません。

それにはまず、信念を持つことが必要になります。

そして、信念を持つには、心を開くことが必要となります。

つまり、素直さと心のゆとりが必要なのです。

心を閉ざしていては、信念や勇気は湧きようがありません。

惨めで貧しい人生に満足しているよりも、お金持ちになろう、成功しようと決意する方が簡単であることが、これでお分かり頂けることでしょう。

次の詩が、この普遍的な真実を教えてくれています。

『自分の人生を、安く人生へと売った者は、やがて蓄えが減ったとしても、人生は全くビタ一文も支払ってはくれない。

人生は、雇い主と同じだ。

しかも、欲しいだけの給料をくれる。

だが、ひとたび給料を決めてしまったら、後はその給料の多寡と関係なく、困難な勤めに耐えていかなければならない。

しかし、どんなに惨めな仕事でも、精一杯努力すれば、人生は請求しただけの報酬を、喜んで支払ってくれるものだ』

ここまでで学ぶこと

「思考は現実化する」の中で取り上げられている人たちには、様々な多くの逆境を抱えている人がたくさんいます。

中には自業自得の人もいますが、それによって自分の才能に気付いた人もいるのです。

人は、追い詰められたり、ピンチで窮地に立たされることで、よりアンテナが機敏になり、さまざまなことに敏感になります。

これは、決して窮地に立たされないと、敏感にならないわけではありません。

その状況下に置かれたことで、強制的に「本気」にさせられたことで機敏に、そして敏感になっているのです。

それであれば、わざわざ窮地に自分を追い込まなくても、きちんと本気になることが出来れば、人はアンテナを機敏にさせることができる、ということです。

何に本気になるかと言えば、他でもない「願望の実現」です。

心の底から叶えたい願望や目標に対して、どうしたら達成できるかを本気で向き合い、考えることで「思考は現実化する」に登場する人達と同じ状況下になります。

よく「何をしたら成功できますか？」という質問をされる人がいますが、答えは単純で「素直になってから、本気になるだけです」と私は答えています。

なぜなら、自分自身に素直になって、それから目標や願望と真剣に向き合い、本気になって計画を立て、行動を起こせば、自然と達成へと近づいていくからです。

もちろん、すぐに達成できることもありませんし、簡単に達成できるはずもありませんが、その時に折れるか折れないかの差となるものは、心構えと願望の強さです。

どうしたら強い願望を持てるのか疑問の人にも、成功できる人の目標や、願望を例えるのであれば「やらなければならない」ものであるかどうかで判断できます。

なぜなら、目標や願望というものは、自分自身との約束だからです。

現在、設定している目標や願望が「やりたいなぁ」なのか「やらなければならない」なのかを、自分に素直になって、客観的に見つめ直してみましょう。

なぜなら「やらなければならない」のなら、そのための計画を立て、きちんと達成するように実行しているはずだからです。

例えば家賃や住宅ローンは「払いたいなぁ」ではなく「払わなければならない」ものですから、毎月きちんと支払っていますよね。

「やらなければならないものだ！」と言っているのに、計画も立てず、行動もしていない場合には、心の奥底では「やりたいなぁ」としか思っていないということです。

「やっているけど、できないんだ！」という場合にも、それで家賃の支払いを見逃してもらうことはできませんから「どうしたらできるのか？」を考えますよね。

「やったけど、ダメだったんだ！」では追い出されますから、支払日までに何とかして達成させるのが「やらなければならない」という状況です。

自分の目標や願望への本気度を、今一度素直になって、客観的に見直してみましょう。

そして本気になることで、さまざまなことに機敏になることができます。