【思考は現実化する】解説｜50セントを勝ち取った少女を人生の教訓にした男

今回の「思考は現実化する」の解説内容は、前回に鉱員として失敗した経験を活かして、別の人生を歩もうとしていた際に起きた実話です。

何気ない一日の、あるシーンに遭遇したダーヴィーは、その時にはそれが何かを理解できなくても、重要であることを噛みしめ、人生の教訓としていました。

今回のエピソードは「信念とは」を知ることができる実話です。

・信念を持てず、すぐに諦めてしまう
・立ちはだかる壁に、挑戦することができない

このような悩みを抱えている人にとっては、考えを改めるきっかけになるかもしれません。

今回のダーヴィーのエピソードでは

・日常の何気ないところに、成功の鍵は隠されている
・信念を持つと、人はどうなるのか

これらについて学ぶことができます。

それでは早速、ダーヴィーのエピソードについて、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。

こちらの内容に関しては、私達リアライズのYouTubeチャンネルでも聴く動画として上げています。

記事を読むよりも動画で聴いて学びたい方は、下部のリンクから動画を活用してみて下さい。

ダーヴィーの人生の教訓

ダーヴィーが大学を卒業し、金鉱での経験を活かして、新しい人生の第一歩を踏み出そうとしていたころ、幸運にも彼はある出来事に遭遇しました。

そして、これをきっかけに彼は「NO」という言葉が、 必ずしも本当の「NO」を意味するものでないことを、発見したのです。

その頃、伯父は小作人を多く抱えて、大農場を経営していました。

ある日の午後、ダーヴィーが伯父の手伝いをして、挽臼で小麦を挽いていた時のことです。

粉挽き小屋の扉が静かに開き、小作人の女の子が入ってきました。

伯父は、その幼い女の子に目をやり、見つめ、そして荒っぽく聞きました。

「何の用だ？」

女の子は、弱々しい声で答えました。

「ママが、50セントもらってくるようにって言ったの」

「あー、ダメダメ。さっさと家に戻るんだ」

「はい」

と彼女は返事をすることはしましたが、 一向にその場を動こうとはしなかったのです。

伯父は、そのまま仕事に気を取られていたので、彼女がそこを立ち去らずにいることに気付きませんでした。

そして、再び顔を上げたとき、彼女がまだそこに立っているのを知り、思わず怒鳴りつけました。

「家に帰れと言ったのが分からんのか。早く行かないと、懲らしめるぞ！」

その女の子は、また「はい」と答えました。

それでも彼女は、そこを動こうとはしなかったのです。

伯父は、小麦の袋を床に置くと、そばにあった天秤棒を手に取り、険しい顔つきで、彼女の方へ近寄っていきました。

ダーヴィーは、固唾を飲んでそれを見ていました。

気の短い伯父が、その子に今にも襲いかかるのではないか、と思ったからです。

ところが、伯父が彼女へ近づく前に、彼女の方が先に一歩前に踏み出したのです。

そして伯父を見上げて、甲高い声でこう叫んだのです。

「ママはね、どうしても50セントがいるの！」

伯父は立ちすくんで、しばらく彼女の顔を見つめていましたが、やがてゆっくりと天秤棒を床に置きました。

そして、なんとポケットから50セントを取り出して、彼女に渡したのです。

女の子はお金を受け取ると、伯父の顔をじっと見たまま、ゆっくりとドアの方へ下がって行きました。

彼女が小屋から出て行くと、伯父はガックリと肩を落とし、箱の上に座り込んで、しばらく呆然と宙を見つめていました。

伯父は、今体験したことを考え、恐怖にも似た気持ちを感じていたのです。

ダーヴィーもまた、考え込んでしまいました。

小さな女の子が、大人を完全にノックアウトしてしまうのを見たのは、これが初めての経験だったからです。

彼女の取った行動を、振り返ってみて下さい。

あれほど激怒していた伯父を、完全におとなしくさせたものは、いったい何だったのでしょうか。

彼女は、どのような力を使ったのか？とダーヴィーの頭の中は、いろいろな疑問で混乱してしまいました。

しかし、これらの疑問に対する答えが出たのは、その後何年も経って、私がこの事件について聞いた時のことでした。

奇妙な偶然なことに、私がこの不思議な出来事を聞いたのは、昔ダーヴィーの伯父が女の子に50セントを渡した、まさにその古い小屋の中だったのです。

ここまでで学ぶこと

この少女のようなケースは、日常生活でも子供の駄々をこねるシーンで、見て取ることができる一例ですが、それよりも一段階、次元が高いものです。

なぜなら、この少女は、確固たる信念を持ち合わせていたからです。

その他にも、明確な目標や、逆境と挫折からの利益なども、理解できていなくても、実践していたのです。

50セントが必要だった理由は、周囲の誰にも分かりません。

しかし、そのためであれば、大人相手であっても引くことをせず、絶対に諦めず、自分の意志を突き通したのです。

結果的に、叔父は少女の信念に折れました。

少女の行動は、成人男性二名を、考えさせるほどのものだったのです。

私達も、自分の目標や願望に対して、この少女のような信念を、心に持つことが重要です。

なぜなら、そうでなければ目標や願望の実現など、成し得ないからです。

それでは続いて、ダーヴィーとヒルの会話について、見ていきましょう。

NOにはYESの血が流れている

ダーヴィーは話し終わると、私に言いました。

「伯父をあれほど完全に打ち負かしてしまうとはね。 ヒル先生、あの子はいったいどんな不思議な力を使ったんでしょうね？」

ダーヴィーのこの疑問に対する答えは「思考は現実化する」の中で、後述されています。

誰もが、あの小さな女の子が、偶然にも発揮した不思議な力を身につけ、かつ発揮することができるのです。

次に、この不思議な力の一端が、紹介されることになるでしょう。

この不思議な力の謎は、この章で明らかになるかもしれないし、あるいは他のところで突然あなたの心に閃き、解明されることになるかもしれません。

また、それは一つのアイデアとして姿を現すかもしれないし、 願望とその達成計画という体系的な形で、現れるかもしれません。

いずれにしても、その閃きがあれば、あなたは過去の挫折から立ち直り、過去の経験を将来に向かって、活かすことができるようになるのです。

ここまでで学ぶこと

敢えてヒルは、ここで答えを明言することを避けました。

なぜなら、成功哲学の歯車というものは、人によって現在持ち合わせているものと、足りないものが違うからです。

世間でも「腑に落ちる」や「カチッとハマる」など、人によって表現は違えど「理解できるタイミング」というものがあります。

それは、あなた自身でも起こり得ることです。

例えば、このエピソードを今見て何も感じなくても、五年後に見たら理解できることがあるのです。

実際に、ダーヴィーもその一人でした。

続いて、この少女から教わったことの大切さについて、見ていきましょう。

ダーヴィーが少女を教訓としたこと

小さな女の子が無意識に使った、この不思議な力の謎について話し終わったとき、ダーヴィーは、生命保険のセールスパーソンをしていた30年間を振り返りました。

そして、この女の子に教わったことのおかげで、自分は成功したのだ、ということを認めました。

「私は苦しい立場に追いやられると、いつもこの古い粉挽き小屋で、目を輝かせて敢然と立っていた、女の子の姿を思い出すようにしたんです。

そして、何としてもこのセールスを成功させなければならない、と自分自身に言い聞かせたのです。

振り返ってみると、セールスが成功したのは、いつもお客が「NO」と言ってからだったんです」

また、ダーヴィーは金鉱山で失敗したことについても、それが自分自身のミスであったことを率直に認め、次のように語ってくれました。

「金鉱山での失敗の経験は、実は、神の恵みのようなものだったと思います。

あの失敗から、私はどんな困難に出会っても必ずやり通す、ということを学んだのですから。

この教訓はどの分野であれ、成功するために最も必要なことでしょう」

ここまでで学ぶこと

ダーヴィーは、叔父の鉱員としての失敗と、少女の諦めない姿勢を人生の教訓として、ヒルとのインタビューに答えています。

あなたは、これまでの人生の中で、教訓として学べる経験はあったでしょうか？

・教訓とできるようなものはなかった
・私の人生には、そこまでの出来事は起きていない

もし、このように思われている人がいるとしたら、もう一度人生を振り返ってみることをお勧めします。

なぜなら、人が生きていく上で、教訓とできるものがない人生は、ほとんどないからです。

実際に、私達のところへ個別相談に訪れた人で、そうおっしゃっていた人でも、よくよく探してみれば、何かしら見つかる人がほとんどでした。

つまり、チャンスと同じで、それに気付けていないだけの事がほとんどなのです。

それでは最後に、ヒルのまとめについて見ていきましょう。

経験の中で見出した成功の秘訣

私が言えることは、この二つの経験のおかげで、ダーヴィーが年間数百億ドル以上、生命保険を売り上げるまでに成功したということです。

ダーヴィーの経験は、どこにでも見られる、平凡なものであるかもしれないが、彼にとっては、自分の人生を左右するほど、大きな力を持っていたのです。

それは、彼にとっては、人生最大の経験だったのです。

彼が富を築くことができたのは、これまでの経験を分析し、その経験の中に成功の秘訣を見出し、それを身につけ応用したからに他なりません。

ここまでで学ぶこと

あなたにとっての、人生最大の経験とは何でしょうか？

思いつかない人は、今からでも遅くないので、振り返ってみましょう。

きっと、あなたの成功にとって重要な事となるエピソードが、何かしら見つかるはずです。

自己啓発というものは、何も成功者から学ぶだけが全てではありません。

自分自身の何気ない日常の中からでも、見つけることができるものです。

こうした習慣を身につけることは、あなたの人生でチャンスに敏感になる習性を身につけることができます。

重要なことは、考えることと、分析することと、見出して、活かすことです。

目標達成や願望実現のために、貴重な経験を活かし、脳力を最大限活用していきましょう。